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十数年前、ぱりっぱりの新人編集者だった私に「世の中の動きや流行は、自分の足で街を歩いてナマでキャッチしろ」と教えてくれた編集長がいた。
私はその編集長の教えを肝に銘じ、取材から原稿の受け渡し、はたまたちょっとした雑用までも好んで引き受けて、都内の主要な街を電車・バスで駆け回った。
その空き時間を利用して、今後の雑誌作りの参考になるであろう流行スポットに出向き、若者の身につけている洋服・小物を観察しながら、それに飽きたら裏道を散歩して、道ばたで寝ている人を見つけては写真を撮ったり、話を聞いたりした。
さて、時代は変わって今の私であるが、めっきり歩かなくなった。移動手段のほとんどは車で、都内の路線図(つまり山手線ゲーム)にすっかり弱くなった。体重は当時と比べて10kg増。ときどき、あの編集長のあの言葉が脳裏をよぎる……
世の中の動きや流行は、自分の足で街を歩いてナマでキャッチしろ。
今の私にとって、ナマは、生ビール以外、とんとご無沙汰なのである。
私は、週に一度は自宅の近所にある中華屋に行くようにしている。タクシードライバーたちがよく集まる店だからだ。
人が集まるところ(新名所や繁華街)を拠点に一日中都内を走り回る運転手稼業。私たちがふだん目にするネットやテレビ、新聞・雑誌の情報では知り得ない、さまざまな客のナマの声を聞き、売り上げ、すなわち「客のふところ」具合から今の日本の経済状況までうかがい知ることが出来るのだ。
そう、その中華屋で耳を澄ましていれば、自分の足で歩かずとも、餃子、ニラレバをツマミに、ビール二本で世の中の動きを敏感に、そして単純明快に知ることができるのだ。
さあ、みなさんにも、最近私がその中華屋で、タクシードライバーたちの雑談から仕入れた、とっておきのナマの情報をお教えしよう。
・今年の巨人は強い。
・藤原紀香が結婚した。
・高円寺の熟女パブは、まあまあ。

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はん・じゅくじょ、
はんじゅくおんな。
Posted by もちゃ | 2007-06-15 13:17
つまり、私が中華屋でキャッチしている世の中の動きや流行は半ナマなんですね。ところで、ナマで先っちょ半分だけ挿れたって、半ナマではないんですよ。それは立派な、本ナマなんです。
Posted by 小林辰巳 | 2007-06-15 17:01